【智頭病院小児科医の書庫 】
智頭小学校保健委員会 2021/10/8(金)15:30~
《 追加資料 》 関連[智頭中 2021/12/6]
講義[新型コロナウイルス~現状と今後の見通し~質問に答えて(温故知新)]
智頭小学校教えていただきたいこと・・・などをお寄せいただき、ありがとうございました。
学校医 智頭病院小児科医 大谷恭一
★ 今後どのようになるのか? どう共存していけばよいのか?
日本の現状:第5波が専門家も理解不能な推移で減衰(収束)しつつある。
:インドが爆発的に急増した後、これも理由が不明なまま減衰した。
:ワクチン接種が8割超のシンガポールで感染の急増があり、ロックダウンに追い込まれた。
~ 何れも、理解困難な急増・減衰です。
日本でも、誘因不明なまま、感染が再度急拡大(第6波)する可能性はあり、対処は不可欠です。
やがては、全国民が被感染し、抗体保有者となり、主体として、乳幼児の風邪段階になると考えます。
一方、新型コロナウイルスは抗原変異(・遺伝子変化)が続くはずなので、被感染者でも発症し得ます。個々の(基礎疾患の有無・生活状況などによる)免疫能との力関係に基づき、感染しても無症状(不顕性感染)ないし無熱性の(鼻汁・咳・倦怠感などの)上気道炎症状や一過性の発熱で治癒する例が多くなります。即ち、A(H3N2A)香港型、A(H1N1)型pdm09の季節性インフルエンザ同様です。⇒[新型コロナウイルス:質の高い感染防御策と自身の免疫能を安定させるコツ](参照:2020/9/2 智頭小学校保健委員会講義資料)
しかし、新型コロナウイルス感染症での特異性があります。免疫能が高い(成年・働き盛りの)年齢層であっても、(理由が分からない現状ですが、)重度の肺障害(~致死)や、多種多様な病状・後遺症(味覚・嗅覚障害、脱毛、脳障害)を来す例があることです。幸い、早期診断、早期治療開始(抗体カクテル療法など)で、重症化(~致死)例は着実に減少しています。基本は、個人として、基礎免疫を獲得しておくことが重要で、即ち、ワクチンを2回接種することです。
★ 子どもにワクチン接種?
目的は「個人の安全」「家族・同居人の安全」「クラス・学校の安全」
★ ワクチン接種は12歳から:理由は?家族・子どもを通じて、感染拡大・クラスターの懸念が大きいこと
米国での臨床試験成果を基に、FDA(=食品医薬品局)が緊急使用として認可したこと
予測)今後、米国などで、5歳以上の臨床試験の成果が出てくる。
5歳以上も接種対象になる。接種量は、1/2量・2回が基本
抗原性変化が大きい新型コロナウイルスの変異株が出れば、新開発ワクチンの接種もあり得る。
参照)新型コロナワクチンについて 2021/9/5 国立感染症研究所
参照)ファイザー 5~11歳もワクチン接種対象に拡大 近く申請へ
付)季節性インフルエンザワクチン接種は、13歳以上は1シーズンに1回
12歳以下は2回:生活歴が短いことで、免疫強化(・ブースター効果)が目的
接種量は6か月以上、3歳未満は、1回 0.25ml
参照)厚労省 インフルエンザQ&A 2020/11/18
※ 2021/22年シーズンも11月中旬には、令和3年度の Q&A が開示される予測
★ 教室のシールドは必要か?
新規感染者数(智頭町~県東部と近隣生活圏)の動向に合わせて実施 / 全国一律はあり得ない!
関連)マスクは上手に外す:α株流行時は「3密」を避けることの重要性が啓発され、感染力が数倍に増したδ株では「1密」をも避けることが必要になりました。
付)α株や他の多くのウイルス感染症、溶連菌感染症など:飛沫感染、接触感染
δ株や麻疹・水痘(・インフルエンザは乾燥室内)、結核:エアゾル・飛沫核感染・空気感染
転じて、「1密」が回避されている環境ではマスクは不要です。(例外:①他の多くのウイルスや溶連菌などの細菌の被感染を減らす、②花粉症などの吸入抗原の吸入を減らす、③埃・煙の吸入を減らす、④冬季の屋外で寒冷空気を吸わない・ノドを労わる観点)
!温故知新[マスクの効果:感染者が環境にウイルスを飛散させない効果・健常者がウイルスを吸い込まない効果]
!新生児・乳幼児の子育て中のご家庭では、マスクを外して、笑顔調の表情を見せることは大切です。家族の(新型コロナウイルス感染症に係る)安全確認の上で、家庭内ではマスクを上手に外して欲しい願いがあります。(例外:δ株による新規感染者数の急増に見舞われ緊急事態宣言が発令中の生活圏)
= 新型コロナウイルス感染症以外 =
★ タブレットの使用:視力等への影響
従来、TVゲーム、ゲーム機器、PCゲーム・スマホゲーム:オンラインゲームが問題になり続けてきました。
発達期の子どもの大脳~網膜への影響は必須です。
◎ タブレットでの学習は、幸い、ゲームと異なり、過剰の長時間集中は回避できます。
◎ 室内の照度や、陽光による逆光については、配慮が不可欠です。
!近視の出現・進行(悪化)、眼精疲労、角膜の乾燥(Dry Eye)などが、視機能における問題点です。
◎ 持続は、いずれの機器使用においても、連続30分を目安とします。
モニター画面から顔を離し、遠方固視を励行します。
例)遠くの稜線などの樹木を見つめるなど
!近視は、大脳~眼球の適応の結果です。つまり、近くを見るのに適した、大脳が疲労しないための適応が近視です。発達期には近視は進行します。
勿論、画面に食いつくように近づけて見続けると近視は一層進行し、眼精疲労・大脳の疲労(~頭痛・健康感の低下・ストレスの蓄積・攻撃性の高まりなどの弊害)を来します。
!(今、世界中にスマホが拡散していますが、)以前のチベットでは、数km先から人が来る。接待の準備を始める。つまり、遠方視の適応が遠視で、例えば、日本でTV画面を見ると、目と大脳の疲労を訴えるエピソードです。
!木漏れ日や湖面の反射などの光の散乱・チラツキは、自然環境の中でのことで、注視を避けることが出来ます。が、TVゲームでは、集中して注視することが求められるので、疲労等のマイナス要因は、とくに発達期にある子どもには悪影響が大です。
= いつの時代においても、願いは「幸せな人生とする」こと:キーワードは・・・ =
★ 感染症関連
心身の健康増進
★ 人生全般
自己肯定感・人と人の関係性
= 参照 =
* 以下、順不同 (解説文付)
[感染症軽症化モデル][脱水症の理解を育む][生活習慣化=大脳の習慣化][体調が良い~免疫能が高い:体の健康と心のあり方!][幸せとは何か][幸せな人生とするヒント][ありがとうを大切に][生き生き智頭っ子・鳥取県民]
《 追加資料 》
★ 「手も気持ちもぴっかぴか!!」「ゼロ密をめざそう!~ 一つの密でも避けましょう ~」「油断大敵!接触感染」「マスクを外す際の注意:危険な瞬間」「新しい生活様式~一人ひとりの基本的感染対策」「家族が感染した時・・・(:クラスで感染者が出た時」 < 新型コロナウイルス感染予防のために < 国民のみなさま向けの情報:新型コロナウイルス感染症について - 厚生労働省
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